こんにちは。手話ができる公認心理師、ヨーコです。
最近「silent」、「星降る夜に」など、聴覚障がい者や手話を題材として取り上げたドラマが増えてきましたね。少し前にはアニメ「聲(こえ)の形」も話題となりました。また、行政の記者会見にも手話通訳者が立つことが当たり前になり、手話が見慣れたものになりつつあります。
でも、「実際の聴覚障がい者と話をしたことがない」、「宮崎で手話使っている人達ってどう生活しているの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
そんな方々に朗報です!宮崎在住の聴覚障がい者の方々が中心になって制作した映画の公開が決定となりましたのでご紹介します!
「おわりなき聲(こえ)」は宮崎県内在住の聴覚障害者たちが自主製作した映画です
今回、宮崎在住の聴覚障がい者(ろう者)たちが中心になって作成した映画は「おわりなき聲(こえ)」。脚本作成から撮影、編集まで聴覚障がい者(ろう者)の方々と聞こえるスタッフ(健聴者)が力を合わせて作り上げました。
脚本だけでも2か月以上、撮影は1月から1か月あまりの時間をかけておこなれました。アドバイザーはいるものの、ほぼ全員が未経験者。仕事の合間を縫っての撮影となり、相当苦労されたようです。
監督は盛田弘さん。聴覚障がい者(ろう者)です。主演の園田孝生さん、甲斐叶華さんも聴覚障がい者(ろう者)です。その他出演者やスタッフの多くも、県内の聴覚障害者や手話に関する活動をしている方々です。
昨年行われた「第20回全国障害者芸術・文化祭みやざき大会」で映画を作成したことがきっかけで今回の映画製作が決まったそうです。
製作の様子がわかる公式インスタはこちら。
「おわりなき聲(こえ)」は実話をもとにした映画です
映画の舞台は、聴覚障がい者(ろう者)への偏見がまだ色濃かった昭和の県内。
当時は、障がい種問わず、障がいがあるというだけで“劣っている”と見なされ、就職や進学が難しい時代でした。自動車免許も取得が許されませんでした。手話も「手まね」と言われ、聴覚に障がいのある子供たちが教育を受ける学校においてでさえも手話が禁止されていたのです。
そんな社会を変えたいと、戦後すぐに国内各地の聴覚障がい者(ろう者)が「ろう協会(今の聴覚障害者協会)」を立ち上げる運動を起こします。
今回の映画は宮崎に住む聴覚障がい者(ろう者)の主人公が偏見のない社会の実現を目指して、ろう協会を立ち上げようとする姿が描かれています。
盛田監督は次のように述べられています。
聞こえる人、聞こえない人関係なく、障害者もみんなが普通の生活をしているんだということを知ってもらうことが(映画製作の)目的です。…一部だけですが『もっとこういうことが苦しい』とか『こんなことがある』『悲しかった』ということを皆に見せたかった。今回は一部でも分かってもらえたらうれしい。
社会には様々な音や情報が飛び交っていますが、聞こえない人達はそれを知ることができません。そのために生活には色々な工夫がされていたり、コミュニケーション方法の工夫などがあります。そんな点にも注目してみると、きっと面白いと思いますよ!
「おわりなき聲(こえ)」は宮崎キネマ館で4月6日までの公開です!
上映は当初2日間だけの予定でしたが、反響が大きく、延長を重ね、二週間の上映となりました!二週目(4月7日〜13日)からは(①12:20-13:25, ②19:00-20:05)の二回上映に増えます。初日、上映後にキャスト&スタッフの舞台挨拶がありましたが、最終日19時からの上映でも舞台挨拶があるそうです。キネマ館のHPでチケットのインターネット予約もできます。(予約ページはこちら)
宮崎キネマ館
・住所:宮崎市高千穂通1丁目178 カリーノTRUNK
・電話:0985-28-1162
・FAX:0985-28-1257
・営業時間:9:30~20:00(土・水・金・祝前日は22:00)まで
※映画の上映時間により前後いたします。
・駐車場:カリーノ宮崎(4時間まで無料)
・劇場内でのご飲食に関して:当館で販売している飲食物、またはカリーノ内でご購入されたもの のみお持ち込み可能です。(九州パンケーキさん、タリーズさん、ラディッシュさん、など)
※匂いが強い食べ物や音が出る食べ物などは、他のお客様ご迷惑になりますのでご遠慮ください。
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